このページの趣旨

 私は現在東京に住んでおり、生まれ故郷「熊本」を離れて50年以上にもなります。年をとるにつれ、昔のことが懐かしく思い出され、同じ熊本育ちの家内とはよく熊本弁でやりとりをします。
 しかし、ときどき熊本に帰って若い人と話していると、「いまはそんなこつはいいまっせんよ。」といわれることがあります。年を経ると風景や人ばかりでなく言葉も変わったのかと今昔の感を禁じえません。
 たしかに歴史的にみても言葉は時代とともに変ってきました。特に、この二、三十年はテレビの普及や人の移動の活発化などで、その変化のスピードが速く、全国各地で方言の変質が進みつつあるように思われます。そこで、このようなときに古い時代の言葉を検証し、記録しておくことも無意味ではないと思い、このページを作りました。

 ここで取り上げた熊本の方言は、私が育った戦前、戦中と、戦後15年間に使ったり聞いたりした言葉を記録し、それに家内が補足したものを加えてまとめたものです。
 ついでに私は熊本市東方の田舎町の出身ですが、家内は熊本市内の出身です。一般に方言は同じ郡でも地区により違い、都市と地方ではもっと違いますので、これが熊本弁の共通語(?)ではありません。 また前述のように時代によっても変化しますので、現在使われていないような歴史的なことばは、[古語]と表示しておきました。

 ところで、私は国語学や方言学については素人ですが、全国各地を回ってみるとその土地々々の方言は、その地方独特の自然的風土と歴史的環境を反映しており、またその地方の県民性とも裏腹の関係にあるように思われます。したがって、熊本弁の背後にある県民性との関係についても私見を付記することにしました。

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